羽根木の住宅地に建つ、事務所のアネックス。
駅に近く至便であることから、将来カフェを開設するなどフレキシブルな使い方ができること、最大限早く竣工すること(設計スタートから8ヶ月)、2階は繁忙時の宿泊用として、リラックスできるスペースとすること、無駄なくシンプルに、ローコストな建築とすること、などが求められた。
敷地の北側、接道部分は駐車スペースを確保するため5mほどセットバックする配置とした。建て込んだ住環境の中、唯一引きをとることができた北側の1階に、象徴的な立面を生み出すことにもなるスチール製作による大きな窓を設けた。この窓枠は敢えて通常より大きなサイズの枠とし、窓枠が物として存在することを強調した。1階は天井高を3mとし大らかさを感じられる空間としている。
2階はプライベートな寝室と浴室。両隣の家屋が建て込むためスリット状の中庭型テラスを設け、寝室にも浴室にもプライバシーを阻害されずに採光を得ることができる。
階段上部に開けられた2つのトップライトは開閉可能であり、1階、2階それぞれに光を提供し、また煙突効果により建物全体に風を通す。
特別なことをしてはいないが、床、壁、窓、柱、階段、外壁サイディングの目地、といった建築を構成する要素が全てそれぞれ正しく配置され、大らかで美しい空間をつくりだすことをめざした。
敷地面積 98.47m2 建築面積 42.23m2 延床面積 81.31m2 木造2階建て 所在 東京都世田谷区 施工 株式会社ヨシナガ工業 構造 大賀建築構造設計事務所 設計 都留理子 木上奈都子 松澤一歩 監理 都留理子 清尾景子
写真 淺川敏
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