横浜市の丘陵地に建つ住宅。
敷地はコンクリート擁壁にて造成されたばかりであった。このコンクリート擁壁は構築物として大変存在感が大きく、設計者に取ってはいわば先客であり、この住宅の建ち方に大きな影響を与えることになった。
港北Oは、そんなコンクリート擁壁に対して1100mmの隙間をあけて建っている。白い外壁はふわりと浮かぶようにして居住スペースを囲い取りながら、同時に1100mmの隙間から外部を内に積極的に引き込んでいる。引き込まれた場所はこの住宅に取って半分パブリックな、エントランス動線の空間である。
どの方向にも遠方への眺望が臨まれることから、上層には隣家との視線をコントロールしながら開口部を開けた。その結果、各所に眺望との親密な関係が生まれている。
下層では地面を引き込むことにより街とつながり、上層では遠方へと視線が伸びていく。住宅全体で、内外の親密な関係が創出されている。
敷地面積196.17m2 建築面積 70.51m2 延床面積 154.76m2 木造3階建て 所在 神奈川県横浜市 施工 大同工業 構造 蒲池健 照明 サワダライティングデザイン&アナリシス 設計 都留理子 松澤一歩
撮影 淺川敏
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