
杉並の住宅地の一角、緑豊かな公園に面したこの地を気に入った建主は、アトリエ付き住宅を建てるにあたり次のような要望を私たちに伝えた。
「家にいる時間が長いので、公園の眺めを生かし開放的で気持ちよく過ごせる家にしたい。一方で、落ち着いた個人の時間も大切。」

この地特有のおおらかな空気感を引き込むために、公園に面するファサードを分節させ、ほぼ相似形の家が2つ並び立つ形とした。それぞれの家は奥行きをずらして配置し、創作の拠点であるアトリエを街に近づけると同時に駐車スペースを確保した。


アトリエは2層吹き抜けとし、ケヤキの枝や葉を頭上に感じられる心地よい創作空間とした。


仕事上の来客があるため、1階のエントランス及び動線空間は路地のように感じられる公的なスペースとした。

階段室はアトリエの前室であり、トップライトからの光や上階の生活動線が垣間見える余白のような場所でもある。



2階で2つの家は溶け合い1つの空間となる。


料理はもちろん、調理具や食材を集めることをも楽しむ妻のために、キッチンはパントリーをあわせ持つペニンシュラ型とした。


パントリーボリュームの奥には、1人で過ごすにふさわしいポケットスペースがある。

子ども部屋は将来の趣味室的な使い方も想定した。吹き抜けに飛び出た1/4螺旋階段を2段上がることにより距離感が生まれ、離れのような趣のある部屋となった。




1階の路地的スペースはテラコッタカラーのタイルと外壁仕様の壁で仕上げ、2階は床のモルタル仕上げを一部手すりやキッチンカウンターに展開した。
パントリーの壁やトイレ床に、色の楽しい輸入タイルを使っている。そうした仕上げの混在を、バーチ合板によるひとつながりの壁と天井面が包容する。

気ままに散策し木陰やベンチにふと座って心地よい時を過ごす。そのような生活が、公園の心地よい空気感を借りながら展開する建築のあり方をめざした。
























































