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ひとつの質問

Column
Update: 2022.3.25

こんにちは。
このページに足を運んでくださりありがとうございます。

私、都留自身が職住の拠点としている「下作延K」は、2004年3月に竣工しました。

設計当時。初めて建主としての役割を担うことになり、少々、、いやかなり戸惑いました。
正直に言えば、途方に暮れそうになった瞬間が何度もありました。

その頃の話については、以前こちらに記事にしていただいています。

建主としてかなり情けない期間を経たのち、
最終的には

「ただ気持ちが良いからそこで過ごす、晴れた日の公園のような場所」

を徹底的にめざすことにしました。

そんな下作延Kに、今月で18年を過ごしたことになります。

さて、だからといって私たちは全ての建物を「公園のような場所」とすることを目指しているわけではもちろんありません。

そうではなく、その建築が成立する「すじみち」のようなもの。<br>自然の摂理、という言葉がありますが、建築の「理」ともいえるもの。

…を見出そうとしてきました。

敷地や敷地周辺の状況、そして建主さんの想いや建てる背景は、個々のプロジェクトごとに厳然とあります。

私は建主としての経験を経た後、個々のプロジェクトにおいて、より本質的な「理」を見出したいと考えるようになりました。

それまでも、例えば住宅であれば生活スタイルや求める機能について、詳細にヒアリングしていました。
それこそ起床時間、どのような家事が好きか嫌いか、来客は多いか少ないか、休日はどのように過ごすか、など。
そしてそれぞれの室に対する具体的な要望も。

しかしそれらをつなぎわせるだけでは、何か足りない気がします。

本質的な「理」に至るためには、どうしても幾分かの意図的な意訳が必要になるように感じていました。

そんななか気づいたこと。
それは、「建築」「生活」領域だけで話すのではなく、建主さんがこれまでに大事にしてきた領域で話していただくのがよいのでは、ということです。

そして、上に書いたような建築領域のヒアリング項目に項目に加えて、次の質問をすることにしました。

「これまでに最も感銘を受けた小説、映画、音楽、旅、人、、、を教えて下さい。
その内容とどのような感銘を受けたかについても教えて下さい。3つくらいまで。1つでも構いません。」

…続きます。

最後までお読みくださりありがとうございます!

2022年3月25日  都留理子